【8月の読書記録】夏休みはないけどたくさん本を読めた

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空色ヒッチハイカー 橋本紡
★★★☆☆

あらすじ

人生に一度だけの18歳の夏休み。受験勉強を放り出して、僕は旅に出る。兄貴の残した車に乗って、偽の免許証を携えて。川崎→唐津、七日間のドライブ。助手席に謎の女の子を乗せて、心にはもういない人との想い出を詰めて、僕は西へ向かう。旅の終わりに、あの約束は果たされるだろうか―。大人になろうとする少年のひと夏の冒険。軽やかな文章が弾ける、ポップでクールな青春小説。

(「BOOK」データベースより)

感想

中途半端な優越感。
中途半端な劣等感。
まったくもって下らない。最悪で最低だ。誰だってそう思うだろう。僕だって思う。

(p.148)

主人公が「無免許で」九州まで大移動するという設定が、どうしても引っかかってしまった。
青春小説にこんなことを言うのはヤボというものだが、個人的に許容できなかった。

物語としては、主人公の兄の気持ちに共感した。
しかし、兄がエリートすぎるから霞んでいるが、主人公もたいがいハイスペックすぎるんだよなぁ…。

秘密 東野圭吾
★★★☆☆

あらすじ

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。

(「BOOK」データベースより)

感想

うん、と平介は頷いた。永遠の秘密を認める首肯でもあった。

(p.438)

途中まで読み進めてから、随分前に読んだことがある本だと気づいた。
当時は「憑依なんて科学的にありえないから二重人格的なものでしょ」と思っていたが、今は論理とか科学よりも「当人がどう認識しているか」が大事だと思う。
ラストの「秘密」に関しては、そういう選択をするしかないよなぁ…という感想。
解説が10代の広末涼子で時代の流れを感じる。

阪急電車 有川浩
★★★☆☆

あらすじ

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

(「BOOK」データベースより)

感想

白という色は花嫁だけの色ではない。時代劇なら、丑の刻参りの女性も仇討ちの女性も白装束を身にまとうのだ。
祝いも呪いも恨みも飲み込む色だ。

(p.50)

途中まで読み進めてから、一度読んだことがある本だと気づいた。
最近こういうのが多いなぁ…記憶力が低下している。
「うっかり再読」を防ぐ意味でも、本の感想を書く意味はありそう(アウトプットすると忘れにくくなる)。

前回読んだ時もそうだったが、一番印象に残ったエピソードは翔子の「討入り」。
自分も相手も傷つくとんでもない復讐だが、あそこまで立派にやり切る度胸と堂々たる態度がすごい。

静おばあちゃんにおまかせ 中山七里
★★★☆☆

あらすじ

元裁判官の祖母と孫娘が難事件を次々解決!
警視庁の新米刑事・葛城は女子大生・円に難事件解決のヒントをもらう。円のブレーンは元裁判官の静おばあちゃん。イッキ読み必至。

(「BOOK」データベースより)

感想

他人にも厳しいが、それ以上に自分に厳しい大人──高遠寺静というのはそういう品格の女性だった。

(p.313)

日常の謎モノかと思いきや、普通に人がバンバン死ぬタイプのミステリーだった。
しかも事件の規模がやたらと大きい(某国大統領暗殺事件など)のがあまり好みではなかったものの、なかなか楽しめた。
探偵役の静おばあちゃんは、あの世代で元・裁判官という女性なので、それだけで只者ではないことを伺わせる。
最後に明かされる「静おばあちゃんの秘密」は、ちょっとファンタジーすぎて個人的にはイマイチだった。

感染 仙川環
★★★☆☆

あらすじ

ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。しかし夫は別の女からの呼び出しに出かけていったまま音信不通、幼子は無残な姿で発見された。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿りつく――。医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス! 第1回小学館文庫小説賞受賞作。

(Amazon内容紹介より)

感想

「だけどウイルスのことが表ざたになって……。ねえ、これから異種移植、どうなると思う?」

(p.284)

葉月の「自分が同じ立場でも、ウイルスのことは公表しないだろう」という発言について。
個人的には納得がいくし、どちらかというと支持したい考え方だと思った。
医療の現場に限らず、ひとたび問題が公になったら、その後の未来が完全に閉ざされてしまいかねないからなぁ…。

岸川のように私利私欲のために隠ぺいしようとするのはもってのほかだけど、「人を助けるために」というまっとうな考えのもとならアリでは?
とはいえ、誰が、何が「まっとう」で正しいのか、どう線引きするのかという話だけど…。